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路傍の晶

第58回

Outtake 店主 芦塚さん

ビール好きの芦塚さん。
もちろんシェイカーを振ることも
ビール好きの芦塚さん。
もちろんシェイカーを振ることも

無類のビール好きである。実際、会社に勤めているころから赤坂や六本木、青山などの繁華街を飲み歩いたものだ。杯を傾けながら自身が好む店のイメージを膨らませ、ときには趣味が高じてレストランバーで腕を振るったこともある。そんな彼がサラリーマンから転身してバーの経営を始めたのは、必然といえるかもしれない。

 芦塚さんが脱サラしたのはオープン前年の5月まで遡る。それまでは運送業ひとすじで働いてきた。江古田駅前にバー「Outtake」を構えたのは、会社を辞めて約半年が経過した昨年1月のことだ。
ベルギービールをはじめ、
さまざまなお酒が楽しめる
ベルギービールをはじめ、
さまざまなお酒が楽しめる
満を持して開いた店の造りがまたおもしろい。扉を開くと、だれもが一度は虚を突かれるに違いない。そして店内へ進むと、カウンター越しにはベルギーをはじめ世界各国のビールが並ぶ。「自分が飲みたいと思う酒を置きたいと思って」そう言ってマスターは笑った。
壁にスクリーンを設置、
カウンターにもモニターが置かれている
壁にスクリーンを設置、
カウンターにもモニターが置かれている
「日本っぽくないお店をつくりたかった」と語る店内には、木製のカウンターやイス、テーブル、ベンチなどが置かれている。そのすべてが店主自らの手作りだというから驚きだ。なにしろ、それ以前まで雑貨店だったテナントには当初、まっさらな床と壁しかなかったのだという。ゆえに芦塚さんはまず店のイメージを固めてから必要な材料を買いそろえ、内装作業に没頭した。けっして日曜大工を趣味にしていたワケではない。半年という開業までの空白期間には、こうした準備も含まれていたのである。

 開業しておよそ一年半、客足はおおむね順調のようだ。地元の利用者を中心に、20代から50代までと客層は幅広い。男女を問わず、テーブルを囲むグループもあれば、カウンターでひとりの時間を楽しむ客もいる。翌朝まで営業しているため、仕事を終えた同業者も集まるという。週末ともなれば、陽が昇るまで賑わいは尽きない。

「忙しいときほど楽しいですよ」と、芦塚さんは笑みをこぼす。
「席が埋まっていると帰られる方も多いんですが、たとえば外国人の集まるパブに行くと、立って飲んだり、階段に腰を下ろして飲むことも普通。ウチも、たとえ席がなくてもスペースはありますから、そんなふうに気軽に立ち寄って飲んでもらえたらうれしいですね」

 ところで「outtake」とは、映画やテレビなどの未公開シーンを指す。芦塚さんは、あるアメリカ映画を観たときにピンときたそうだ。
「お酒を飲めば普段は見せない顔が出てくるでしょ? 日ごろのストレスとか我慢していることも、飲んで気晴らしになればいい。お酒で息抜きしたほうがいいと思うんですよ」

 仲間とラフに語り合うもよし、ひとりでカウンターを満喫するもよし。扉を開ければ、思い思いのスタイルで楽しめる空間が待っている。

取材・文◎隈元大吾

Outtake
住所: 〒176-0005
練馬区旭丘1-77-15 2階
 
アクセス:
西武池袋線 江古田駅南口より 徒歩1分
都営大江戸線 新江古田駅より 徒歩6分
電話番号:03-3953-3133
営業時間:20:00~翌8:00
定休日:不定休